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航空自衛隊 航空救難団 

航空自衛隊の中の航空総隊に隷属し、自衛隊機の墜落事故などが発生した際、 その機体・乗員の捜索、救助活動を主たる任務とする一方、救助要請(災害派遣要請)にも対応し直ちに活動を開始する『航空自衛隊航空救難団』。 その救難錬度の高さから「最後の砦」と形容される。

 

航空自衛隊 航空救難団 小松救難隊   

航空自衛隊 航空救難団 小松救難隊

小松救難隊が所在する小松基地は日本海に面した石川県小松市に位置し、すぐ南東には標高2,702mの白山、 約100km東側には険しい山容で知られる剱岳や立山連峰などを含む飛騨山脈がそびえている。
小松基地は日本海側唯一の戦闘機部隊が所在する基地としても知られ、また航空自衛隊の戦闘機パイロットの中でも 特に傑出した技量を持つパイロットを中心に編成される飛行教導隊も所在している。
このようなことから精鋭揃いと名高い小松基地で小松救難隊を取材した。

航空自衛隊 航空救難団 小松救難隊

水上降下訓練の様子

水上降下訓練

ちょうどこの日の午前中に水上降下訓練を終えてきたばかりのパイロット小木2尉と救難員の中園1曹、字引2曹が迎えてくれた。本日の訓練は基地からほど近い片野海岸にて救難ヘリUH‐60Jから水上のターゲットに向かって救難員が落下傘降下をするというもの。救難隊が保有している落下傘は方形傘とよばれる四角い形状の落下傘で、地上や水上のターゲットにピンポイントで降下するには落下傘を操る高い技量が求められる。水上ではターゲットから離れて着水してしまうと、泳いでボートまで戻らなければならなくなるので特に集中力が必要だ。格納庫を拝見すると使用後の落下傘がいくつか干してあったが、落下傘に塩分が残っていると繊維を傷めてしまうので、しっかりと海水を洗い流し乾燥させてから収納しているという。装備品の手入れも救難員の大事な仕事の一つだ。

航空自衛隊 航空救難団 小松救難隊

訓練を終え洗ったばかりの落下傘。海水をよく洗い流し乾燥させる

富山県警察山岳警備隊との連携

冒頭で紹介したように日本有数の山岳地帯を近隣に抱える小松救難隊は、当然ながら山岳訓練にも余念がない。他の救難隊が所属する基地ではすぐ近くに訓練をできるような山や岩場がないところも多く、あったとしても岩肌が脆く思うようなトレーニングを行えないなど意外と訓練場所には苦労をしているというが、ここは山岳訓練を行うための好条件が揃っている。夏は白山を主な訓練地として、他にも北アルプスで縦走訓練を行ったり、冬は岩場の多い山でロープワークなどを中心に訓練を行っている。また1年に一度、富山県警察山岳警備隊が剱岳で行っている訓練に参加して、山岳警備隊の隊員と共に約1週間山にこもり、山岳警備隊の優れた山の技術を学んでいる。救難救助の最後の砦と称される彼ら救難員も山岳技術においては富山県警が日本一だと口を揃える。またこの訓練によって技術を学べるだけでなく、過去には北アルプスで発生した民間セスナ機の墜落事故による出動で、互いに連携してミッションを行ったこともあり、毎年このようなコミュニケーションを継続していることによりスムーズに活動が行えたという。

航空自衛隊 航空救難団 小松救難隊

雪山訓練の様子

航空自衛隊 航空救難団 小松救難隊

充実した山岳訓練用装備品。その訓練技術は日本トップレベルだ

精鋭揃いの小松救難隊

パイロットの小木2尉は新潟救難隊で5年間勤務し、今年念願の機長資格を取得して小松救難隊へと赴任した。資格は取得できたが、まだまだこれから機長として多くの技術を学びたくさんの経験を積まなければならないと語る。そうした上で小松救難隊は最適な勤務地の一つだと感じていると言う。なぜなら小松救難隊の先輩方は知識も経験も豊かで、各人が他の部隊へ行けばそれぞれがリーダー格となるぐらいの方ばかりで本当に日々多くのことを学ばせてもらっているという。

高い技量を維持するための訓練環境があり、また、多くの優秀な先輩方が技術を伝承し、皆がそれを真摯に学ぼうとする。小松救難隊には精鋭が育つ環境があり、彼らクルーからも受け継がれてきた逞しさのようなものを感じとることができた。

航空自衛隊 航空救難団 小松救難隊

取材に応じて下さった救難隊クルー(左から中園1曹、字引2曹、小木2尉)

航空自衛隊 航空救難団 小松救難隊

屈強な体づくりは救難員の基本。日頃の過酷な訓練を思わせる

航空自衛隊 航空救難団 小松救難隊の皆さま、取材へのご協力ありがとうございました。

 
 
 
 
 
 
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